※一部、リアクションを引用させていただきました
第4回ハーブローク『誰が彼を殺したのか〜旅の終焉編』

■プレイヤーの感想

いろんな意味で、私にとって『起死回生』の回でした。


「グラムス!」
 シュルツが声を上げる。
「連携攻撃だよ、シュルツ」
 グラムスは笑った。その口元から血が零れる。
「後は任せた。オレがこいつの動きを止めているうちに……早く」
 そのまま、刀身が不覚突き刺さるのも構わず羽交い絞めにする。
「なあシュラークフィーダー、オレもお前ももう年だ。じいさんはとっとと退場して若い連中に道を譲るべきじゃねえか?」
「……やろう」
 迷う皆にジェス・ラーディエルが告げた。
「シュラークフィーダーを悲しみから解放してやるんだ」
 手にした光輪雷鳴剣デュアルディークに光の輪が発生する。
「そして、その悲しみを良いものに変えていこうぜ。悲しみを顧みて……俺達はそれが出来ると思う」
がつ、とその拳に遠藤秀斗が己の拳を合わせる。
「そうだな。それが『悲しみの連鎖』って奴を止める、たった一つの手段かも知れねえ」
「俺達の技と力を一つに合わせて、シュラークフィーダーにぶつけるんだ」
「俺の『ヒートエンド』は周囲の人々の感情を力にする。皆の思いを集めてくれ」
 秀斗が刻印の刻まれた手甲を握り締める。
「フィオフィ、あの指、止める」
 フィオフィ・フォウが光に包まれた翼を開いた。
「もう悲しいのはいやだから。フィオフィ、かみさまだから。だからみんなを守るの」
「確かにあの手はやっかいですね」
 エイヴァーツ・フォルセティもまた翼を広げる。
「でも、一人でやっても無理だとしても、皆でやれば勝てないものなど何もない。この地で兄弟が出来て初めて学んだ事です」
「俺の手は……守る為の腕だ」
 風峰真代の背にも光の翼は広がっている。
「だからやらせてくれ。これ以上もう誰も死なせたくないから」
「馬は駈ける必要があったから野を駈け、鳥は飛ぶ必要があったから空を往く」
 ハインリヒ・イージアスの黒い鎧にも映える金色の翼。
「同じように人も人を越える必要があったからこそ神になり、今神を超える必要があるからこそそれに挑む。だがこれだけは言えよう。希望を持つ我等が負ける要素など微塵もない。我等の勝ちだ!」
「オーケー。俺を入れて五本だ。全ての指が止まったら、迷わず攻撃を叩き込むんだ。いいな」
 シュルツの言葉に皆構えを取った。
「行くぞ!」
 シュルツの矢が目にも止まらぬ速さで速射され、一本目の指を砕く。
 エイヴァーツが素早く指の動きを掻い潜って、その指先に弓を引く。
「二本目!」
 二つ目の指も土くれのように変色して、崩れ去った。
「魔剣よ、わが怒りに正しく応え、その心なる力を以って絶望の海を薙ぎ払え!」
 ハインリヒのバスタード・ソード『フランシュベート』がいつもの業火の赤から青、そして真炎の白にその色を変える。
「三本目だっ!」
 炎に触れた指はまるでのたうつ蛇のように炎の中へ消えていく。
「う、ぬー……っ!」
 フィオフィは天使の翼を羽ばたかせて空中で巨大な指を押し留めていた。
「エマちゃん、ジゼルさん、お姉ちゃん……っ」
 光と闇の力がぶつかり合う。
「もう誰も泣いちゃ駄目、なの」
「うおおおおおっ!」
 真代は『触れざるもの』の力を全開にした。全てのものを弾くというその力、しかしそれは真代自身の体の負担にも繋がる。
 巨大な指との弾き合い。
 その衝撃がごきん、と鈍い音を生じさせた。
「うぐっ!」
 真代の腕が折れたのだ。
 だが、真代はその動かなくなった右腕を左腕で掴んでなお、その場に留まろうとする。
「このくらいで諦めてたまるかあっ!」
 真代は皆に叫んだ。
「これで、五本だ!」
「やるぞ、皆!」
「待ってくれ」
 ジェスの言葉を遮ったのはスヴィエート・ホーリーアイズである。
「どうしたスヴィエート、やるなら今しかねえんだぞ」
「そうだ、でもだからこそ外せない。狙いどころがあるはずだっ!」
 今、シュラークフィーダーが目覚めたことで増殖炉の力は強まりもし、弱まりもしている。
 狙うのであれば弱まった時、つまりシュラークフィーダーの正気が勝った時である。
 タイミングを逸し、逆に増殖炉に押し切られる事があってはならない。
 しかしそれを完全に捉える事が出来るのか。
 スヴィエートは迷わず自分の目を己の剣で切り裂いた。
「スヴィエート!」
 秀斗か声を上げる。
「もうほとんど見えないんだ。同じ事だ!」
 あえて視界を断って、感覚を研ぎ澄ます。これまでも目が不自由であったスヴィエートであるからこそ、気の流れが良く分かる。
 むしろ視界を失った分、はっきりとそれは感じられた。
「今だジェス、秀斗、皆!」
「おおっ」
 ジェスのデュアルディークの光輪が次々と生まれていく。
 秀斗のヒートエンドが眩いほどに灼熱している。
 英雄達がそれぞれ最大の力をこの一点に集中しようとしている。
 その背には全て光の翼。
 太古の神魔の最終決戦を思わせる姿であった。
「行けーッッッッ!」
 激しい光と爆風が、領主の間を包み込んだ。

(ありがとう)
 と誰かが言ったような気がした。


秀斗くんとのダブル・クロスは、一生の思い出だ!
グラムスさんの意思……無駄にはしない!
真代くんはやっぱり正義の味方だった!
ハインリヒ氏の技が冴え渡る!
シュルツさんとエイヴァーツくんの援護があったから、とっても安心だった!
フィオフィさん、とっても頑張ってるの!
スヴィエートくん、ありがとう!


中盤でしたが、『最終回』というだけあって盛り上がってましたね。おかげさまで、この回で立ち直りました(完全復活ではないのですが)。【2005.7.15.】

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