PBMの心得

〜PBMについて考えてみよう〜


その五、私がやってみたいメイルゲーム

今回は、『私がやってみたいメイルゲーム』と題しまして、顧客ニーズや現実的な問題はスルーして、とにかく『やってみたい』を中心にして書き綴ってみようかと……そんな趣旨で書いていきます。ですから、冷静に考えますと『こんなの絶対できっこない』というような点も出てくるはずです。私の場合、まずは『やりたいこと』を書き出して、それから『実現できるか否か』の観点から、余計なものを却下していく方針で考えていきます。普段から、『これがやりたい』とか言うと、ほとんどの返答は『それは無理だろう』と言われます。そうなんです。『無理だ』と思えるようなアイデアを出すことも時には大切なんですよね。実際にできるかできないかは、アイデアを出してから決めても遅くないと思います。


と言う訳で『私個人がやってみたい』メイルゲームとは、簡単に言うと以下の通りになります。あくまでも『私個人の希望と言うか妄想』でして、顧客ニーズや現実的な問題は度外視しております。

●主要NPCが1人もいない。PCさんたちだけで『物語』を作っていく。
●初回は『全てのPCさんが初対面』でスタート。初期設定で人間関係は作らない。
●初回は『初期情報』として、どんなことができるのか明確に伝える。
●キャラクター・メイキングは簡単にする。余計な設定は作らない。
●全9回のアクション(前編3回、中編3回、後編3回)。初期情報を入れて全10回。


やろうと思えば、できそうな気もしますが、実際にやるとなると、いろんな問題が出てきそうです。『主要NPCが1人もいない』というシナリオを考えるのは、ある程度メイルゲームの経験が無いと難しそうですね。ですから、マスターさんは経験者の方が望ましいです。はっきり言ってしまうと、主要NPCはいらないです。できることなら、NPCと関わらなくても良いようにしたいです。出すとしても、初回だけとか、ちょい役で出るくらいにしたいです。本来ならば、NPCは脇役に徹するべきではないか? 主役はPCさんたちじゃないの? だからと言って、アクションは公平に扱うべきだと思いますけどね。活躍したいならそれなりのアクションを書かないと不公平ですし。


初回は『全員初対面』でスタートすると言うのは、単なる私個人の希望です。最初から関係が出来上がっているPCさんたちが多いと、単独で参加している方は、人間関係の輪に入りづらい傾向がありますから。とは言え、最初からある人間関係の中に、自分から入っていくことも大切なんですけどね。まあ、PCさん全員が初対面と言うのも面白いかなと。他にもメリットあるかな? どちらかと言うと、私は『初対面の人と少しずつ関係を築き上げていく』という方がドラマチックだな〜と思ってます。例えるならば、ジェスとアルベルトさんが何時の間にか友人関係になっていた……と(アクションの積み重ねが前提ですが)。その方が燃えます。


次は『初期情報』について。初回で、PCさんたちにとってどんなことができるのか、まずは明確に伝えることも重要だと思います。『PCさんたちにとって』がポイントです。マスターがやりたいことは二の次ですよ。ええ、二の次ですとも。マスター個人がやりたいことを優先すると、それだけで俺様主義的なシナリオに見えてしまいますから、さあ大変。『マスター個人がやりたい』ことも、シナリオに入れて良いと思いますが、優先順位を間違えると、ヤバイです。痛いです。はっきり申しまして、やめて下さいと言いたいくらいです。『リアクション』と『小説』は別物ですから。ええ、別物ですとも。違いが分かれば、メイルゲームのマスターに向いていると思います(予定通りできるか否かは別問題です)。


またもや、個人的な意見になりますが、余計な設定をアクションで使おうとすると無理がでます。別に設定を作り過ぎるなという意味ではありません。自分で考えた設定を使いたいならば、プラリアで書けば良いんですから(私はプラリアが書きたくて裏設定を作りました)。世界観を打っ壊すような設定は論外ですけど、他人の反応まで決め付ける設定はどうかと思う訳です。『自称』ならば、それはそれとして良いのですが、『俺のPCはこうだから、こうしてくれ』と言うのは……ね。思わず遠い目をしてしまうんですよ。ましてや『俺のPCを大活躍させてくれ』という感じも……(以下省略)。ゲームの謳い文句で『貴方のPCが大活躍できます!』とか言うのも、なんだかな〜と思う訳です。それよりも、『このゲームではこういうことができて、こういうことができない』と宣伝した方が良いような気もするんですけどね。『演出』として派手な謳い文句を掲げるのはOKと言うか、むしろやった方が良いと思います。やり過ぎは良くないですけど。


最後に、全9回のアクションと言うのは、仲原的に丁度良い回数と言うだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。あまり深い意味はありません。全6回でも、全12回でも、1回1回が無駄のない内容ならば文句無しですけど。大失敗とか思っても、実際は意味があることが多いんですけどね。以上、『私がやってみたいメイルゲーム』でした。【2005.2.11〜12.】

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